令和3年度(2020年11月入試)東京大学法科大学院(東大ロー既習・本試験)合格点分析

2022年度入試(2021年11月実施)の分析については、以下リンクを参照ください(BEXA)。

2022年度東京大学法科大学院 入試選抜結果の分析~2022年度 法科大学院入試対策ガイド お年玉企画~ - BEXA

 

以下記事は2021年度入試(2020年11月実施)の分析です

 

遅くなりました。

東京大学法科大学院ロースクール)合格者の合格点およびGPAにつき、合格者及び不合格者の情報提供・掲載がありましたのでお伝えします。

なお、藤澤宛に合格者が提供下さった合格証明書・試験成績・報告を精査し、資料などから信憑性が認められると判断したものに限り記載しております

(なお2020年11月入試では、合格不合格者全員に得点が通知されました)。

 

なおGPA記載は、米国等への留学の際に書くGPA算出基準に基づく一般的な基準。

すなわち、最高評価を4、最低評価を1、不可を含まず、で計算してあります。

(東大学部生は、不可を含まずにあとは自校の4.3~基準で算出してください→詳細は後述または未修分析にて)

◆前提【重要】:GPA算出・合格者報告を見るにあたって◆

塾や研究室・部(法サークル)の合格者報告のGPAでは

①素点GPA(不可含めるもの)→海外の大学ではこれが基本。日本の大学のオンライン成績照会システムでは、履修放棄・不可(0点)も機械的にGPA値に算入されてしまう(成績証明書と齟齬のある)ところも多い。

ロースクール提出用GPA(不可を含めず)→日本の大学の成績証明書ではこれが基本。ローへの提出GPAは原則コレ

③いわゆる某塾基準(SとAを最高点数と指示しCを2とするもの)→15年ほど前のロー開学当初の学部成績は3段階基準(Dなど不可は反映されず)が殆どであった。

④ほとんどないが、卒業後のGPA(4年後期含む)を書いているもの

があります。

①≦②<③の順に見た目のGPAは変わります。

過去には、①2.6→②3.1→③3.6となるものや、②2.2→③3.0となるものがあり

基準によって見た目が大きく変わりますし、評価が全然変わります。

 

とある塾の合格者報告記載を見ても、どの基準でGPAを記載・提出すれば良いのか、徹底されていないのが状況です(合格報告者に対するヒアリングに基づく)。ある合格者はSAを4・Cを2として算出していたり、またある人は不可を入れてGPAを出していたり…等とバラバラであり(=記載の徹底がされてない)

本記事では、受験生が客観的・正確に判断できるよう、東大ロー願書に受験生が記載することとなる成績(上記②GPA)に基づいております。

なお、特に合格者については極力ヒアリングを行い(特に低GPAの方。場合によっては合格者報告を一緒に検証し、本人合意の上で修正)正確なデータを記載するよう心がけています。

 

そのため、受験生や予備校受講生の皆さんも、合格者報告が出たら、可能な限り

【そのGPAはどのような基準で算出して記載しているのか】

確認することをお勧めします。そうしないと、変なデータを掴み、合格者分析にブレや異常値が生じることとなります。

 

たとえば東京大学では、HPで成績を確認すると、不可も含まれて素点GPAが載りますが、

①東大ロー願書の記載では不可を含めず提出します(不可数を書く欄がない)。

②他大学では不可は成績証明書に記載されないところが数多くあります。

また、中央大学でも、【成績証明書(卒業後などの学校公式書類)】では不可は含まれませんが、普段のオンライン等の成績表では、不可もグレードポイント(GP)0点として素点GPAが算出されます。そのため、研究室(●●会)の報告資料などの際、特に低GPAの場合には、基準を何としているのか注意を払う必要があります。(実際、該当者の卒業数年後に、該当者の協力により確認したところ、報告GPAと実際に算出したGPAとの間にかなりの齟齬のあった例が過去に数件ありました。なお、算出につき詳しくは同大学のリンク先資料を参照

https://www2.chuo-u.ac.jp/law/portal/keijiban/gakuseki/seiseki_gpa.pdf

 

GPA算出の際は不可を含めず、また比較の際は上記基準に基づき精査したうえで、ご自身のGPAを算出願います。

(なお、5年程度前の慶應既卒生を除き、現在は基本的に大学学部の成績は4段階・可不可で単位認定・評価されています。)

・今年度についてはTOEIC等提出なしでも合格可能でした(コロナ禍に基づく特例措置)。

・追試試験分析については、後日記載いたします

◆一次選抜結果分析◆

 

令和3年度一次選抜に必要なGPAについては、一般的なGPA、すなわち

S等最高評価を4~C等単位取得最低評価を1とし、Fは含まない場合

(今年度はTOEICは課されず。

例年TOEIC400未満(一橋は445点未満)は、成績が良くとも足切りされています)

 

今年度の足切り基準値は

願書提出時のGPA2.5超・2.6程度

となっています。

(程度としたのは、2.6で落とされたという情報提供もあったため。ただし、実際に藤澤が本人の成績評価のキャプチャを拝見していない+質問箱投稿のため、不明としました。ただし、参考までに記載しております)

 

 ・GPA当落線上近辺の不合格者及び合格層としては、

旧帝大理系:GPA2.4程度→不合格

外部法  :GPA2.5  →不合格

早慶法  :GPA2.55   →一次通過

というのが現状です。

そのため、今年度についても過去記事と同じく(ただし今年についてはコロナ禍および出願者数増加により、基準が少し上昇した可能性も高い)、

一次選抜通過に必要なGPAは、不可含めずで2.5超・2.6程度(東大学部の場合は2.5超、それ以外は2.55以上程度)

となっています。

◆二次選抜結果分析◆

【念のため】
毎度繰り返しますが、不可を入れないで、S4~C1で計算ください(例:GPA素点ではなく、GPA不可を含めずに計算してください。ただし学部東大生のみ学部基準(不可含まず)でGPA算出を)。
GPA素点2.6で、実際にGPAを確認したところ3.2だったという例が過去にもありました。
 
 【本題】

二次選抜については、まず下記区分のGPAにより合格点が異なるという結果が如実に顕れました

今まで、資料を考察の上こちらのブログで情報を発信し、その内容は概ね正しかったですが、一部修正しようと考えている点がありますので、後程記載します(本件記事は修正後の内容)

※なお、二段階2次では一次(GPA+筆記)だけでなく総合点で合否が決まります(東大ロー公示資料より)。

ステメンや経験など総合的に見られますので、後述の通り当落線上では合否にかなり寄与することになるでしょう。

 

四捨五入後のGPA2.9未満(ハンデ層)の合格者(不可含めず、以下略)◆

:7割中盤以降の合格点(素点表記、Cf.2022年度入試:偏差値換算点

MARCH法  :筆記192.5点~194点・GPA約2.8→不合格

早慶法学部:筆記227~230点(7割後半~約8割)・GPA2.55合格

MARCH法  :筆記217~220点程度(7割前半)、GPA2.75~2.78程度→不合格

→この層の合格者ついては、かなりの実力者であることが推測されます。230点とは、例年で見ても稀(筆記超上位層)です。また、後述の通り、本来であれば合格する者が、GPAで落とされていることが如実に顕れています。

 

◆GPA3程度(四捨五入後GPA2.9を含む)◆

:合格最低点195~204点(総合考慮結果により左右)

MARCH法:筆記188~189点、GPA3.3→不合格

東大   :筆記185~189点、GPA3.0→不合格

 

東京法:筆記195~196、GPA3.1~3.2(参考:不可込素点GPAは2.8~2.9程度)→合格

外部生 :筆記198点、GPA3.4→不合格

MARCH法:筆記205.5、四捨五入繰上げによりGPA約2.9(参考:不可込素点GPAは約2.6程度)→合格

外部生 :筆記205~210、GPA3.3→合格

 

日東駒専:筆記213点(7割)、 GPA3.3→合格

外部生 :筆記217~220点(7割前半)、GPA2.9→合格

MARCH法:筆記217~220、GPA3.3→合格

早慶(参考:慶応ロー全免):筆記210~215、GPA3.5→合格

 

この層については、

GPA四捨五入2.9かつ筆記点205点→合格

GPA3.4かつ筆記198点→不合格があるので

 

GPAによる点差・区分はほぼないエリアであると推測されます。

合格最低ライン195点以上195~204点は二段階2次の総合考慮で合否がわかれたのでしょう。

 

また、東大ローの合格可能性を考えるのであれば、少なくとも予備合格レベルでない限りは、出願時の②GPA約2.9以上ラインに入る必要があります。

・二段階2次(総合考慮点)はいくらか

二段階2次選抜とは何かについては、以下の過去の記事(藤澤が若干修正)を参照願います。

law-information2019.hatenablog.jp

 

合否の当落線上を見る限り、ステメン・その他外部資格の配点は、今年および例年の結果・過去のデータから検証する限り

最大で10点(差)

であると推測しております。そして、この点数は恐らく、ステメン評価(A~D)・社会人等経験や資格であると考えられます。

今年であれば筆記195~204点層は、

総合考慮結果が合否の分かれ目となった蓋然性が高いです。

 

◆一科目(系統)基準点◆

足切り点は不明であるが、一系統(民事等)6割切っても(56点程度)合格している方も多くいます。そのため、55点以上については、科目足切りや総合評価で不利になることはないように思えます

ただし、50点以下での合格者については、例年ではまず見ないです(これに対となる情報や成績等疎明資料があれば、お待ちしております)

現状のところ54点未満、少なくとも50点未満は科目足切りに遭う蓋然性が高いという旨の結論とさせていただきます。

 

◆考察◆

いままでブログでは、GPAごとに何点と配分する形で推測していましたが

大まかな区分で点数配点・分類している可能性が非常に高いです。(例えばGPA3程度~GPA3.4には同様の配点)

大まかには、

・2.6~2.8(ハンデ水準)

→合格には7割中盤以上

・四捨五入2.9~3.4(通常水準→恐らく配点はほぼ変わらない)

→出身大学により、内部生等は195点~合格。東京一以外は200点以上は欲しい。

・3.6以上~

→190点~195点で合格者存在

となっています。

 ◆内部生◆

また、ブログ開示が許可されない合格者データもあり、点数やGPAまではお伝え出来ませんが、内部生と外部生の優遇については、同じGPA・点数でも合格・不合格が割れており(ステメン等も総合評価材料の一つなので、それもあるかもしれないが)

内部生のGPAのほうが外部生よりも高く評価されることは、合格者の傾向からするとあるように思えます。

恐らくですが、標準化の過程で、内部生は内部における算出GPA(秀4.3優4良3可2、不可はなし)でGPAが算出されている可能性が大です。

(詳細は後日の未修分析にて)

 

なお上記については、

①標準化を行っていることがロー側も説明会等で公言していること

②ロー側の説明(説明会回答)では、大学毎の優秀評価の取得難易度を考慮し、(公平となるよう)算出していること

これらの内容に整合します。

 

今後もデータ補強のためにも、もし異なるデータがあれば、GPA・成績証明書のキャプチャ(画像)とともに、情報提供などお待ちしております。