法科大学院毎の外国語加算(ないし出願)要件です。(2019年度入試現在。上記添付画像を参照ください)。
2022年度入試用の外国語優遇(加点又は要件)制度については、BEXAのHPにて公開しております。2019年度と比較して、以下追記したとおり変更点も多く存在するので、注意してください。
【BEXA記事のリンク 2022年度入試用外国語能力加点又は要件について】
https://bexa.jp/upload/materials/540_a5c422273ea7f6712cda49ec4a84ba4d.pdf
なお、スペイン語検定等、英語資格以外の優遇要件については、各校に共通するものを除き、記載を省いている検定もあります。出願の際等、必ず募集要項を参照するようお願いします。
要確認項目は、「あくまでも例示資格で明記されていないが、その他の語学検定が認められるかについてはロースクール側に確認することを要すると記載のあるものです。黒塗り項目は、認められないことを示したものです。
法科大学院入試(ロースクール入試)には、TOEIC等のスコアに基づき、
①出願要件としている大学(一橋・東京)*2021年度入試を除く。2022年度については上記
②一部コースでは提出を要する大学(琉球大ローの特別選抜、大阪大学法科大学院の特別選抜グローバル法曹枠、早稲田ローのLLMコース(TOEFL)、中央大ローの国際法曹枠)
③基準点を超える場合には加点すると明記する大学(慶応義塾、立命館など)
④書類に添付可能(あくまでもステートメントの記載内容を補完する位置づけ)
があります。
また、TOEICのスコアを持っていると有利に働く法科大学院があるのは上記の表の通りです。
受講生でもTOEICのスコアを有していたおかげで、表に記載のあるロースクールに出願し、特待生を含めその恩恵を受けた方もいます。
未修者などは特に外国語のスコアが武器となる学校もあるので、得意な方は積極的に活用すると良いかもしれません。
ですが、気を付けていただきたいことは
既修者は各法律科目に最低基準点が設けられている学校もあり(慶応義塾や国立大学など。法律科目を60点以上取ることを要すると公表する学校もある)、そのような学校は法律が出来なければ問答無用に足切りされます。
勿論のことですが、外国語だけが出来ても合格しません。TOEICスコア990でもTOEFLスコア120でも法律が出来なければ落ちます。
あくまでも「加点」ですので、他にも志望動機や小論文についてもよく考えて記載するようにすると良いと思います。
競争倍率は制度発足当時と比べると落ち着いてきてはいますが
2019年度入試に限って言えば、未修などは出願者の大幅増加(特に一定レベル以上の国立大学、私立では慶應義塾にその傾向がありました)により、
たとえば慶応義塾大学法科大学院では5年前程度(2015年度入試前後)の出願者数・競争倍率に。
国立で言えば、東京大学の未修コースについては特に競争倍率の伸びが顕著でした。
(特に東京大学では2018年度(2017年入試)と比べると、出願者数も2倍以上増加しており(2018年度:83名→2019年度:174名)、また実際の競争倍率も(*対出願者比。実際は一次不合格者や二次辞退者もいるから更に低い)1.40倍が2.90倍に改善しています。
既習についても昨年は競争倍率は落ち着いていましたが、今年は昨年の競争倍率の低下を見て狙い目と思ったのか、志願者が集中し、慶應義塾と同様、数年前の出願者水準・競争倍率を取り戻しました。)
上記のように、低迷していた法科大学院の出願者数が「学校によって」改善した背景として(*もちろん、早稲田ローの夏入試等、同一日程の受験校がないにも関わらず不調な大学があるのも事実ですが)
・社会人等が不利・苦手としていた適性試験の廃止、
・教育訓練給付金制度(元社会人に対する。要件の詳細は国のサイトをご参照)が法科大学院に対し導入ないし対象校が拡充されたこと
・早期卒業制度の完全解禁
・適性試験廃止により、(国立受験層の適性試験の受験者平均点が高く受験を回避していた私立専願層も)国立に挑戦するようになった
といった事情があるのではないかと個人的には思っています。
(もちろん、過去と比べた推測の域を超えません。)
そのため、不測の事態に対応できるように、普段から
外国語能力や学業成績(GPA)を一定以上の水準にしておくよう心がけると良いと、個人的には思います。
優遇されるのであれば、優遇されるに越したことはありませんからね。
また、後に記事にする予定ですが、国立のトップローではGPAやTOEICをきちんと見る学校もあり、
たとえば東京大学法科大学院では過去の評価機構の調査資料にある通り、学業成績(GPA)を最重視する傾向にあり、一定水準になければ挽回できず(*2019年度で言えば、TOEICが900程度でもGPAが4段階換算で(S~C,Dは算入せず)2.5未満であったケースが一次試験不合格のサンプルとして報告されています。
その逆に、適性試験が廃止された今年も含め、GPAが良く、TOEICが400点台でも最終的に合格した事例もあります。)
すなわちGPAがなければ、どんなにTOEIC高得点スコア・予備試験論文に合格していても書類選考に通らず(個人的には、筆記試験の点数で挽回できない対象者を落とすための父権的措置と思われる)、入試すら受けさせてもらえないという事例もあるようです。
逆に言えば、報告によるとGPAがよければ、TOEICが仮に悪くても、いわゆるFラン大学でも一次試験通過等はするようです(但し400以上という条件をクリアするのが難しいのかもしれません)。これは、大学での授業に対する姿勢や成績と、大学院での姿勢・成績・合格率に相関関係があることに基づく合理性のある入試措置であると聞きますし、ローの公表する方針を見ても、授業をきちんと受けてほしいという姿勢が見られますので、別に不合理ではないと思います。
また一橋大学法科大学院では、例年の合格者TOEICスコア平均点が700点以上(*2018年度入試は700点を届かなかった)であり、一次試験にTOEICのスコアが要件となっています(注:18年度入試までは適性試験の割合が高く、低くても挽回可能であったが、今年からTOEICのみが一次審査要件へと変更。なお今年の合格者平均点は現在のところ公表なく不明)。今年度も数名であるものの(4名:約2%)一次試験で足切りがあることから、学部生等として最低限のスコアは取得しておく必要があり、学部在学中にきちんと準備しておくと、最終的に他者と差別化できる要素になると思われます。
なお、これらの事例については情報も錯綜しており、過去のデータ(東大ローの入試制度については機構の調査データを根拠とする過去twitter記事に速報有)、今年度の有益な情報及びサンプルとして連絡・ご協力いただいた方々のご厚意もあり、
今後の受験生のためにも有益と考えますのでいずれ記載したいと思います。